昔のトイレと比べて最近のトイレは少ない水量で流せる「節水トイレ」が一般的だと言われていますが、はたしてどれぐらい節水できるのでしょうか?
実は、家族みんなが毎日使うトイレにこそ効率的に節約できるポイントが沢山あります。
節水トイレはどれぐらい節約できるのか。また、トイレが詰まった時の対処方法や、今すぐにできるトイレの節約術についてもお話したいと思います
昔と比べて今のトイレは節水タイプになっていると聞きますが、一体どれぐらい節水できるようになったのでしょう?
トイレは製造された年代・型式によって使用する水の量が大幅に変わります。
例えば1970~1980年代のトイレは1回当たり13~16リットルもの水を使用する機種が一般的でしたが、
現在では約5~8リットルで流せる機種が主流となり、必要とする水量は昔と比べて約半分ほどとなっています。
家族4人で使用する場合、昔のトイレと節水トイレとで比較してみると、年間水道代の差額が年間1万円~1.5万円ほどになる場合もあります。
トイレの型式の後に「洗浄水量」と入力してネットで検索すると水量を調べることができますので、一度調べてみることをお勧めいたします。
なぜ今のトイレは昔に比べて少ない水量で流せるようになったのでしょうか?
1.水流の方向
古いトイレは上から下へ縦方向に水を流していたために水量が沢山必要で、汚れが縦じまとなって残りやすい仕組みでした。
それに対して節水トイレは渦巻状に水が流れるようになっており、少量の水でしっかりと流して汚れも防げる仕組みになっています。
2.素材・技術の発達
各メーカーが様々な技術を採用し、便器の素材自体も水垢や汚れ、匂いなどが残りにくいものが開発されています。
それらの技術によってしっかりと汚れを落とすことが可能となり、沢山の水を使用しなくても良くなりました。
節水トイレは節水だけではなく節電機能も充実しているため、どれぐらい節電できるかもトイレ選びの重要なポイントとなってきます。
トイレの電気代だけでも、なんと年間5,000円以上の節約ができる場合もあるのです。
最新の温水洗浄便座は、使用する時だけスイッチが入る機能や保温効果の高い蓋など、省エネルギー化が進んでいます。
各メーカーが技術を結集させて節電に取り組んでいますので、古いトイレから買い替えるだけで大きな電気代の節約ができる可能性があります。
他のメリットとして、トイレの掃除のしやすさも昔とは大幅に変わってきました。
タンクの裏側はどうしても手が届きにくく掃除がしづらかったのですが、タンクレスにすることでお掃除が格段にしやすくなり、スペースも広がります。
トイレだからこそ、広々とした清潔な空間を保っていたいですね。
節水・節電ができ、お掃除も楽にできる現在の節水トイレ。デメリットはあるのでしょうか?
1.詰まる可能性がある
節水トイレは使用する水が少量のため、大量のトイレットペーパーを使用した時や水圧が低い時は詰まることもあります。
2.家の立地や排水管の構造が節水トイレに適していない場合がある
トイレの排水形態には床排水と壁排水があり、排水方法によって設置できるトイレに制限があります。
トイレを購入する時は工事業者に確認をしてから最適なトイレを選定しましょう。
以下の点に注意して使用することでトイレを詰まりにくくすることができます。
1.一度に大量のトイレットペーパーを流さない
どのトイレにも言えることですが、トイレットペーパーを大量に流すと詰まる可能性が高くなります。詰まらせないことを意識して流しましょう。
2.「流せる〇〇」と書いてあるものでも流さない
流せると書いてある掃除用シートや猫の砂などは、トイレットペーパーに比べて溶けるのに時間がかかり、詰まりの原因にもなります。
手間ですが、燃えるゴミとして捨てましょう。
3.異物を流さない
誤って便器の中に異物を落としてしまったら、ゴム手袋をして拾いましょう。これぐらいなら大丈夫かな…という考えが思わぬ詰まりの原因となります。
4.必要以上の節水をしない
以前テレビや雑誌で紹介された節水法で、水の入ったペットボトルタンクの中に入れ、水をかさ増しして節水する方法がありますが、この方法はおすすめできません。
タンクが痛んだり、部品が引っかかったりして故障の原因になりかねません。
また水量不足によってしっかり流れず、詰まりの原因となってしまいます。
1.ラバーカップを使う
トイレの詰まりを解消するものといえば「ラバーカップ」といわれるカップ型のアイテムでしょう。
軽度の詰まりであればこのラバーカップで解消できるケースがあります。ホームセンターなどで購入できますので、準備しておくといざという時に役立ちます。
ラバーカップは用途や便器によっていくつかのタイプがあります。
ご家庭のトイレに適したタイプを選ぶようにしてください。
2.お湯を流す
トイレットペーパーのように水に溶けるものがつまっている場合に有効です。
お湯でトイレットペーパーを溶けやすくして詰まりを解消します。
※固形物の詰まりは解消できません
【方法】
1.便器の電気コードを抜きます。
2.便器内の水位が高い場合はバケツで汲み出します。
3.40度~50度ぐらいのぬるま湯をバケツに1杯分用意します。※熱湯は便器を傷めるため使用しないでください。
4.便器の排水口に向けてバケツでお湯をゆっくり流し込み、1時間ほど置きます。その後、バケツで水を流してみてスムーズに排水されるかを確認します。
3.重曹と酢を使う
お湯で詰まりを解消できない場合はこちらの方法をお試しください。
※固形物の詰まりは解消できません
【準備するもの】
重曹・・・カップ1/4(約50g)
お酢(またはクエン酸)・・・カップ1/2(100ml)
お湯(40度~50度ぐらい)・・・便器の半分くらいの水位になる量
【方法】
1.便器の電気コードを抜きます。
2.便器内の水位が高い場合はバケツで汲み出します。
3.重曹カップ1/4(約50g)を、トイレの排水口に向けて入れます。
4.お酢(またはクエン酸)を100ml(カップ1/2)入れます。
5.お湯を便器の半分ほど入れて泡立ってきたら、そのまま1時間ほど置きます。
6.バケツに水を入れ、少しずつ流します。
これで水が流れるようになれば詰まりが解消したということになります。
これでも解消できない場合は、再度ラバーカップを使用してみてください。
固形物を詰まらせた時は上記の方法では解消できませんので、専門の業者に依頼しましょう。
今すぐにでも節水・節電をしたいという方に、今日からできる節約方法をご紹介します。
1.大・小のレバーを用途によって使い分ける
トイレの性能によっても異なりますが、大と小では水量が約2~3L違います。
家族4人がそれぞれ1日5回流すとして計算すると、
大・小を使用 [大(8L)×1回、小(6L)×4回]×4人=128L
大のみ使用 [大(8L)×5回]×4人=160L
家族みんなで大小を使い分けした場合としない場合では、1日で32Lもの水量が変わってきます。
水道代を1リットル当たり0.25円と仮定して計算すると、これだけで年間3,000円もの違いが出てきます。
2.二度流しをしない
1回の用足しにつき2度洗浄水を使用すると2倍の水道料金がかかってくるため、音が気になる時は疑似洗浄音を流してくれるグッズがおすすめです。
例えば「トイレ 音消し」と検索すると、沢山の音消しグッズを探すことができます。安いものでは1,000円弱で販売されているものもあります。
また、スマホのアプリで流水音が流れるものもありますので是非利用してみてください。
3.便座の蓋を必ず閉める
蓋が開いたままだと熱がどんどん逃げてしまい、暖房機能は常に便座を一定の温度まで温めようと働いて電力を消費します。必ず蓋を閉めて熱の放出を抑えましょう。
4.便座や温水シャワーの設定温度を下げる
エアコンと一緒で、設定温度を少し下げるだけで消費される電力は減ります。今まで使用していた設定温度よりも1段階下げてみましょう。
5.夏場や暖かい日の日中はスイッチを切る
便座を温める必要がないぐらい暖かい日に、なんとなくいつもの延長でスイッチを入れっぱなしにしていることはありませんか?
必要がない時は電源をオフにするか、電源プラグを抜いておきましょう。
6.最新の節水型トイレに交換する
家族みんながこまめに節水・節電に取り組むのが難しい時は、最新のトイレに交換するのもいいかもしれません。
特に古いトイレを使用している場合は、トイレを交換することで水道代・電気代を大きく節約できるはずです。
トイレをリフォームする費用はメーカーや種類によって異なりますが、大体10万円台からが目安となります。
また、リフォームに必要となる工事期間は便座のみの交換なら1~2時間もあれば完了しますが、トイレ本体の交換は約半日ほどかかります。
それに加えて床材やクロス(壁紙)の張り替え、手洗い器の設置などをする場合は、工事期間・工事費が大幅に変わってきます。詳細はリフォーム会社に工期や費用を確認してください。
今のトイレは節水・節電機能が充実しており、昔のトイレを節水トイレに変えることで機種によっては水道代・電気代が年間1万円~2万円ほど節約できることが分かりました。
長期的に考えるとトイレの交換をすることですぐに節約生活を開始できますが、トイレを変えなくても今できる小さな節約を積み重ねることで大きな結果を生むことができます。
家族みんなで話し合いながら、節約を楽しんでみましょう!
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